病気によって様々な症状の現れ方がありますが、中には「体に力が入らない」という症状が現れる病気もあります。


では、体に力が入らないという症状が現れる時というのは、どのような病気が原因として潜んでいるのでしょうか。


また、それらの病気にはどのような対策をすれば良いのでしょうか


体に力が入らない原因となる病気、そしてその病気の予防や対策についてご紹介します。


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病気ではない「体に力が入らない」



机に突っ伏す女性

まず先に、病気ではないものの「体に力が入らない」という状態に陥る原因についてご紹介します。


疲労



仕事や家事などで忙しく動き回った後や、運動をした後は、筋肉を使い過ぎて体に力が入らなくなることがあります


この場合、簡単ですが休息を取ることで疲労が回復すれば、体に力が入らない状態からも脱することができます


体内のカリウム濃度が高い



現代人にどうしても不足しがちな栄養素の1つに挙げられる「カリウム」ですが、「カリウムが足りないから」といって摂り過ぎるのもよくありません


実はこのカリウム、体の中で増えすぎてしまうと神経伝達を阻害することがあります。


基本的にカリウムは、「アルドステロン」というホルモンの働きによって、体の中で増えすぎてしまっても尿として体外へ排出されるようになっています。


ところが、アルドステロンは「抗ストレスホルモン」としての働きも持っているため、ストレスを感じると、ストレスに対応するために値が上昇します。


カリウムの過剰摂取に加えて日常的にストレスを感じていると、それに対応するだけのアルドステロンを作り出すのが困難になります。


そのため、体の中でカリウムが増えすぎてしまい、体を動かそうとしても脳からの指令が上手く伝達されず、体に力が入らないような状況に陥ってしまいます。


ストレスを感じているとカリウムの排出が上手くいかなくなるので、「ストレスを感じているな」と思った時にはカリウムの多い食品を避けることで、防ぐことができます。


※※※


こうした、病気が原因ではない「体に力が入らない」という状態は一時的なものです。


なかなか改善しない場合や、体に力が入らない症状の他にも「あれ、おかしいなぁ」と思う症状があれば、何らかの病気を疑ったほうが良いでしょう。


体に力が入らない原因となる病気



めまいがするOL

うつ病


うつ病とは、その人の元々の性格や精神的ストレスなどが原因で発症する病気のことです。


性格や精神的ストレスに加えて、神経伝達物質の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の量が減ることによって、体や心に様々な症状が現れます。



◇何をしても楽しくない
◇理由もなく気分が落ち込む
◇何をするのもおっくうになる
◇眠れない
◇疲れやすい
◇「死にたい」と思う
◇頭痛
◇生理不順
◇性欲の低下


自律神経失調症



自律神経失調症とは、ストレスなどが原因で「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れ心身に様々な症状が現れる病気です。


体調が優れないにも関わらず、検査しても体調不良の原因がわからない場合に、自律神経失調症と診断される場合が多いです。


「体に力が入らない」といった症状の他にも、


◇頭痛
◇腹痛
◇下痢
◇便秘
◇動悸
◇やる気が出ない
◇疲れやすい
◇食欲不振


など、挙げてもキリがないほどの様々な症状が現れます。


慢性疲労症候群



慢性疲労症候群とは、単なる疲れとは違い、原因不明の疲労感が長期にわたって続く病気のことです。


人によって症状に違いがあり、なんとか体を動かすことができる方もいれば、寝返りを打つことすら辛い方もいて、いずれにしても日常生活に様々な支障をきたします。


この病気のはっきりとした原因はわかっていないのですが、感染症・ストレス・免疫異常・内分泌系異常など、発症するきっかけとなる要因が複数合わさって発症するようです。


熱中症



熱中症とは、高温多湿な環境下にある時に、体が環境に適応することができずに起こる症状のことです。


熱中症は、以下の4つに分けることができます。



◇熱失神(めまい・立ちくらみ・失神・顔面蒼白など)
◇熱けいれん(筋肉のけいれん・足が攣る・大量に汗をかくなど)
◇熱疲労(頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・体に力が入らないなど)
◇熱射病(意識障害・真っ直ぐ歩けない・高熱)


脳卒中



脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった「脳血管障害」のことを指します。


脳の血管が詰まったり、血管が破れて出血したりすることで、脳からの指令が伝わらなくなり「体に力が入らない」「ろれつが回らない」「半身のしびれや麻痺」といった、運動機能の障害が現れます。


他にも、

◇激しい頭痛
◇嘔吐
◇めまい


といった症状が伴うこともあります。


ギラン・バレー症候群



ギラン・バレー症候群は、筋肉を動かすための運動神経に障害が発生し、手足の動きが悪くなったり、力が入らなくなったりする病気のことです。


10万人に1人の確率で発症する難病で、日本では「特定疾患」の1つとして扱われています。


本来であれば、体内に侵入した細菌から体を守るはずの「免疫システム」に異常が発生、その結果自分自身の神経細胞を攻撃してしまうことによって発症します。


患者さんの約7割は、ギラン・バレー症候群の症状が現れる1~2週間前に風邪や下痢の症状が現れている場合が多いです。


完治する方が多い病気ですが、中には筋力低下によって呼吸ができなくなり、死に至ることもあります。


重症筋無力症



重症筋無力症とは、自分自身の体の一部を攻撃する抗体が作られてしまう「自己免疫疾患」の1つで、日本では厚生労働省により「特定疾患」に指定されている難病です。


脳からの指令を筋肉に伝える末梢神経と、その指令を受け取る筋肉との間で障害が発生するため、



◇まぶたが垂れ下がる
◇物が二重に見える
◇体に力が入らなくなる
◇食べ物をうまく飲み込めない


といった症状が現れます。


ボツリヌス症


ボツリヌス症とは、「ボツリヌス毒素」という神経を損傷させる毒素を作り出す「ボツリヌス菌」に感染することによって起こる病気のことです。


日本では、家庭で缶詰にした食品や発酵させた食品などの食べ物を介して感染するケースが多く、発症すると



◇体に力が入らない(筋力低下)
◇焦点が合わなくなる
◇うまく話すことができなくなる


といった症状が現れます。


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体に力が入らない症状が出る病気の予防や対策



何かに気付く指

うつ病



うつ病の予防や対策としては、



◇ストレスを溜めない・こまめに発散する
◇朝に太陽の光を浴びる
◇セロトニンを生成する「トリプトファン」が含まれた食品を食事に取り入れる
◇細かいことを気にし過ぎない
◇質の良い睡眠を取るように心がける


といったことが挙げられます。


自律神経失調症



自律神経失調症は、「ストレスを溜めない」と「生活リズムを整える」といったことで予防することができます。


現代人はストレスにさらされて生活していますし、生活リズムも乱れがちではあるのですが、少しでもストレスを溜めないようにストレスから解放される時間を作ったり、規則正しい生活を送るように心がけるだけでも違ってきます。


慢性疲労症候群



慢性疲労症候群は、お話ししている通り複数の要因が合わさって発症する病気であるため、一概に「発症しないように」と予防や対策をすることが難しいです。


ただ、ストレスや感染症が要因の1つになっていることがわかっているので、「ストレスを溜めない」「感染症にかからないようにする」というのが、慢性疲労症候群の対策としてできることです。


熱中症



熱中症にならないようにするためには、次のような対策をしましょう。



◇喉が渇いていなくてもこまめに水分を補給する
◇塩分を摂る
◇しっかりと睡眠を取る
◇暑いときは無理せずエアコンを使う
◇ひんやりグッズを活用する
◇野外ではこまめに休憩を取る


熱中症は「一度かかるとかかりやすくなる」と言われています。


ですから、熱中症にかかったことがある方は特に要注意です。


脳卒中



脳卒中は、生活習慣で予防・対策することができる病気です。


例えば、



◇自分の血圧を把握して、問題があれば指導を受けながらコントロールする
◇塩分の摂り過ぎに注意する
◇ストレスを溜めない
◇脳ドックを受ける


といったことができます。


また、もし脳卒中が疑われる症状が出ている場合にも、迷わず病院を受診することも大切です。


ボツリヌス症


ボツリヌス症対策としては、「食品の中のボツリヌス菌の増殖を抑える」「悪くなっている缶詰は食べない」ということが重要です。



•80℃で30分間以上調理する(ボツリヌス毒素をほぼ確実に破壊できます)
•自家製の缶詰食品は10分間煮沸する(毒素を破壊できます)
•変色や異臭がある缶詰は破棄する
•膨らんでいる缶詰や中身が漏れ出している缶詰は廃棄する


※メルクマニュアル医学百科 家庭版「http://merckmanuals.jp/home/脳、脊髄、神経の病気/末梢神経の障害/ボツリヌス中毒.html」より引用


※予防や対策ができない病気



ご紹介させていただいた病気の中でも、



◇ギラン・バレー症候群
◇重症筋無力症



に関しては、予防や対策をすることができません


ただ、早くに異常に気づき、適切な治療を受けることで予後が変わってきます


単なる疲れで済まない場合もある!



ここまで、体に力が入らない時に「どのような病気が潜んでいるのか」、そしてそれらの病気の対策についてご紹介させていただきました。


単なる疲れで済む場合もありますが、単なる疲れで済まない場合も少なくありません


もし、「体に力が入らない」という症状が治まらない場合や、他に気になる症状を伴っている場合は、命にかかわる場合もありますから、すぐに病院で診察を受けるようにしてください