「ヘモグロビンが少ない」という、いわゆる「貧血」の状態の方は多いのですが、その一方で「ヘモグロビンが多い」という方もいます。


ヘモグロビンは少な過ぎてもよくありませんが、多過ぎてもよくありません


今回はヘモグロビンが多い方に向けて、絶対に理解しておくべき原因と対策をご紹介します。


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「ヘモグロビンが多い」=「多血症」



血液

ヘモグロビンが多い状態を「多血症」といいます。


一言に多血症といっても様々な多血症があるのですが、大きく分けると「相対的多血症」「絶対的多血症」に分けることができます。



【相対的多血症】

赤血球の量自体は増えていないが、血液中の血漿が減るために、赤血球の量が増えたように見えている状態


【絶対的多血症】

全身の赤血球の量が増えている状態



そして、相対性多血症と絶対的多血症それぞれの中でも、原因の違いによって多血症が枝分かれしていきます。


わかりやすく表すと、次のような感じになります。



【相対性多血症】

1.脱水症状による相対的多血症

2.ストレスによる相対的多血症(ストレス多血症)


【絶対的多血症】

1.真性多血症

2.二次性多血症(続発性赤血球増加症)

 2.1 酸素欠乏による二次性多血症(酸素欠乏性多血症)

 2.2 酸素欠乏が原因ではない二次性多血症(非酸素欠乏性多血症)



ヘモグロビンの正常値は?



ヘモグロビンの量が多いかどうかは、血液検査の項目の1つである「ヘモグロビン濃度」によって知ることができます。


ヘモグロビン濃度の正常値は次の通りです。


【男性】 13.1~16.6g/dl
【女性】 12.1~14.6g/dl



女性よりも男性のほうがヘモグロビン濃度が濃いのが普通です。


ただ、男性の場合はヘモグロビン濃度が18g/dl以上、女性の場合はヘモグロビン濃度が17g/dl以上になると、多血症が疑われます。


ヘモグロビンが多いとどうなるの?



まず、ヘモグロビンを含む赤血球というのは「固体」です。


血液成分全てが液体のようにも見えますが、赤血球は固体であるため、多血症によって「血液中に固体が増える」ということは、血液が「サラサラ」ではなく「ドロドロ」の状態になります。


血液がドロドロの状態が続くと、皆さんもご存知の通り血流が悪化、今度は血管の中で血液が詰まりやすくなり「血栓」ができる場合があります。


この血栓が脳でできてしまうと「脳梗塞」に、心臓でできてしまうと「心筋梗塞」を引き起こす恐れがあります。


血栓ができたことで多血症であることが判明する場合や、元々多血症の方が脳梗塞や心筋梗塞を起こす場合というのも少なくないそうです。


それぞれの多血症の解説〜相対的多血症〜



ここからは、ヘモグロビンが多い原因となっている多血症について解説していきます。


まずは先に、相対的多血症に分類される多血症について解説します。


脱水による相対的多血症



脱水症状によって引き起こされる多血症です。


大量の発汗・下痢・嘔吐といった、体内から大量に水分が奪われる状況に陥ると、血液中の血漿の量が減少してヘモグロビンの量が増えたようになります。



ストレスによる相対的多血症(ストレス多血症)



ストレスによって引き起こされる多血症です。


脱水症状によって引き起こされる多血症以外の相対的多血症は全て「ストレス多血症」とされています。


ストレス以外にも、喫煙や生活習慣病が関係して引き起こされていることもあるとされています。



それぞれの多血症の解説〜絶対的多血症〜



頭が痛い女性

次に、絶対的多血症に分類される多血症について解説します。


真性多血症



造血幹細胞で遺伝子の異常が発生造血幹細胞が腫瘍化することによって引き起こされる病気です。


慢性骨髄増殖性疾患の1つで、



◇顔が赤くなる(赤ら顔)
◇眼の結膜の充血
◇頭痛
◇耳鳴り
◇めまい
◇ふらつき
◇疲労感
◇脱力感
◇入浴後の肌のかゆみ
◇高血圧
◇皮下出血
◇歯茎からの出血
◇出血量の増加
◇寝汗
◇体重減少
◇視界の歪み
◇チアノーゼ
◇脾臓(ひぞう)の腫れによる腹部膨満感



といった症状が現れるのが特徴です。


血液が濃くてドロドロした状態なので、脳梗塞や心筋梗塞といった血栓症を合併症として引き起こすこともあります。


酸素欠乏性の二次性多血症



何らかの理由によって酸素が欠乏しやすく酸素を運ぼうとするヘモグロビンの量が増えてしまう多血症です。


血液を作り出すサインを出す「エリスロポエチン」というホルモンの分泌量が増加するために起こります。


例えば、



◇標高の高い場所(空気の薄い場所)で生活している
◇慢性の肺疾患を患っている
◇先天性の心疾患を患っている
◇睡眠時無呼吸症候群を患っている
◇ヘビースモーカー



といった方に起こりやすいです。


標高の高い場所で生活している方の場合は、標高の低い場所への移住で改善させることができるのですが、病気が関わっている場合は、酸素が欠乏する原因となっている病気の治療が必要になります。


ヘビースモーカーの方も、医師のもとで禁煙治療を受けたほうが良いと思います。


非酸素欠乏性の二次性多血症



酸素が欠乏していない状態であるにも関わらず、何らかの原因によってヘモグロビンの量が増えてしまう多血症です。


病気によってエリスロポエチンの分泌量が増加することや、エリスロポエチンの類似物質が産出されてしまうことによって引き起こされます。


原因として考えられているのは、



◇腎臓がん
◇肝臓がん
◇子宮がん
◇子宮筋腫
◇腎臓疾患



といった病気です。


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ヘモグロビンが多い場合の対策について



多血症にならないような対策や改善する努力をすることができるのは、基本的には「相対的多血症」のほうになります。


相対的多血症の原因となっているものを日常生活から排除したり、生活習慣を見直したりすることで、相対的多血症の予防や改善が可能になります。


そして、病気によって引き起こされている絶対的多血症は、原因となっている病気の治療が第一優先です。


というのも、病気が改善されれば多血症も改善されるはずだからです。


「多血症を治す」というよりは、「病気を治す」という方向で多血症から脱しましょう。


ヘモグロビンが多い場合の対策〜食生活〜



サラサラの血が流れる血管のイラスト

ここからは、相対的多血症の対策について見ていきたいと思います。


まずは食生活から見ていきましょう。


血液をサラサラにする食べ物を食べる



ヘモグロビンが多い場合の食生活、基本的には血液をサラサラにする食べ物を食べることが求められます。


血液をサラサラにする食べ物として有名なのは、「硫化アリル」という成分を含んでいる「タマネギ」「ネギ」「ナットウキナーゼ」という成分を含んでいる「納豆」などが挙げられます。


血液をサラサラにすると同時に、血液をドロドロにしてしまう高カロリーの食べ物(塩分・糖分・脂質を多く含んだ食べ物)を控えるようにしましょう。


血糖値に気を配る



高血糖の状態がヘモグロビンの増加を招くことがわかっています。


ですから、血糖値が上がりにくい食べ物や、血糖値を下げる「インスリン」の働きを補助する成分を含んだ食べ物を選びましょう。


血糖値が上がりにくい食べ物(低GI食品)としては、野菜類・豆類・海藻類など、インスリンの働きを補助する食べ物としては「タウリン」「亜鉛」「カリウム」などといったミネラルを多く含んだ玄米や貝類がオススメです。


アルコールの摂取を控える



アルコールは血糖値の急激な上昇を招き、ヘモグロビンを増やして血液をドロドロにしてしまいます。


また、お酒のおつまみも高カロリーのものが多いので、そういった意味でも血液をドロドロにしてしまう場合があります。


ですから、アルコールは控えるか、あまりたくさんの量を飲まないようにしましょう。


造血作用のある栄養素を控える



鉄分・ビタミンB12・葉酸といった栄養素は、造血に欠かせない栄養素です。


ただ、ヘモグロビンが多い場合では、ヘモグロビンの量を減らさなければならないので、造血作用のある栄養素の摂取を少し控えたほうが良さそうです。



水分を摂る



血液中の水分(血漿)が足りなくなると多血状態になりやすいので、脱水症状が出ている時は水分を摂りましょう。


ヘモグロビンが多い場合の対策〜生活習慣〜



では次に、生活習慣の対策について見ていきましょう。


有酸素運動をする



運動することで、体内に摂り込まれた糖分をエネルギーとして使うことができるので、ヘモグロビンの量を減らすことができます。


かといって激しい運動をするのも、今度は脱水状態が多血を招くので、ウォーキングなどの激しくない有酸素運動をしましょう。


ストレスを溜めない



「ストレス多血症」というものがある通り、ストレスはヘモグロビンの量を増やしてしまうので、なるべくストレスを溜めないようにする必要があります。


ストレス自体避けられるものではないので、しっかりと睡眠を取ったり、趣味に没頭する時間を作ったりして、ストレスから解放される時間を作りましょう。


禁煙をする


タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は体を酸素欠乏の状態にしてしまうので、その分酸素を運ぶヘモグロビンの数も増えます。


ということは、一酸化炭素を摂り込まなければヘモグロビンの数も減る可能性があります。


ですから、喫煙をしている方は禁煙をするか、または吸う本数を減らす努力をしましょう。


ヘモグロビンの数値を正常値まで下げる努力を!



今回は、ヘモグロビンが多い方に向けて、絶対に理解しておくべき原因と対策についてご紹介させていただきました。


ご紹介させていただいた通り、ヘモグロビンが多い状態というのはあまり良いことではありません。


真性多血症は当然として、他の多血症であっても原因となっている状態を改善しなければ、ドロドロ血液が重大な病気を引き起こす場合があります。


「ヘモグロビンが多い」と指摘された方は原因に応じた対策を講じてヘモグロビンの数値を正常値まで下げる努力をしましょう。


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