健康診断や通院している病院などで、「血液検査」を受ける機会があると思いますが、その際に「ヘモグロビンが少ない」と指摘される方も少なくありません。


ヘモグロビンが少ない状態にもいろいろあり、自宅で対策を講じることができる場合や、医療機関で治療を受けなければならない場合もあります。


そこで今回は、ヘモグロビンが少ない方に向けて、絶対に理解しておくべき原因と対策をまとめてみました。


スポンサードリンク



「ヘモグロビンが少ない」とはどういう状態?



ヘモグロビン

「ヘモグロビンが少ない」という状態は、簡単に言うと「貧血」「血が薄い」という状態。


ヘモグロビンが少ないかどうかは、血液検査によって知ることができますが、その際に基準となるのが「ヘモグロビン濃度(Hb)」です。


血液検査の検査項目の1つで、一定量の血液に対するヘモグロビンの濃度を調べることで、ヘモグロビンが少ないかどうかを判断することができます。


ヘモグロビン濃度の正常値は次の通りです。


【男性】13.5~17.0g/dl
【女性】11.5~15.0 g/dl



この正常値よりもヘモグロビン濃度の数値が低ければ「ヘモグロビンが少ない」という状態になります。


ヘモグロビンが少なくなる原因と病気



ヘモグロビンが少なくなる原因はたくさんあるのですが、ほとんどの場合は貧血、または貧血状態を引き起こす病気が原因でヘモグロビンが少なくなっていることが多いです。


ヘモグロビンが少なくなる病気としては、次のような病気が挙げられます。


鉄欠乏性貧血



何らかの理由によりヘモグロビンの主な材料である「鉄分」が不足し、十分なヘモグロビンが作られなくなったことによって引き起こされる貧血です。


貧血のほとんどがこの鉄欠乏性貧血によるもので、



◇無理なダイエットや食生活の乱れなどにより、鉄分の摂取量が足りていない
◇妊娠や授乳などで普段よりも多くの鉄分が必要になっているために、鉄分が不足している
◇月経過多や病気などの出血により、ヘモグロビンが漏出している
(病気の例:胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・ガン・痔・子宮筋腫など)
◇鉄分の吸収を阻害する食品の摂取や胃切除の手術などにより、鉄分の吸収が悪くなっている


といった原因によって引き起こされます。


鉄欠乏性貧血の中でも、出血を伴って引き起こされている鉄欠乏性貧血に関しては、「失血性貧血(出血性貧血)」と呼ばれることもあります。


失血性貧血には、急な出血によって引き起こされる「急性失血性貧血」と、長期的な出血によって引き起こされる「慢性失血性貧血」に分けられます。


悪性貧血(巨赤芽球貧血・葉酸欠乏性貧血・ビタミン欠乏性貧血)



赤血球を作る時に必要な「葉酸」と「ビタミンB12」が不足することで引き起こされる貧血です。


「悪性」という言葉が付いているのは、まだビタミンB12が発見される前の名残りであり、当時はこの貧血を起こすと命に関わる状態だったためです。


再生不良性貧血



骨髄中の造血幹細胞が減少することによって、血液を作るための骨髄の働きが低下十分な赤血球が作られなくなる貧血です。


特定疾患に指定されています。


溶血性貧血



本来であれば約120日間あるはずの赤血球の寿命が短くなり寿命よりも早くに赤血球が壊れて(溶血)ヘモグロビンが流出することによって引き起こされる貧血です。


腎性貧血



腎臓の機能が低下することによって引き起こされる貧血です。


腎臓は、赤血球を増やす働きをする「エリスロポエチン」というホルモンを分泌しているのですが、腎臓の機能が低下するとエリスロポエチンの分泌量も減り赤血球を作り出す能力が低下してしまいます。


白血病



遺伝子変異を起こし、ガン化してしまった造血細胞が骨髄で増殖、血液中で正常な血液の造血を阻害することによって起こる病気です。


正常な血液が作られなくなってしまうため、血液中のヘモグロビンも少なくなり、貧血の症状が現れます。


※生理現象としてヘモグロビンが少なくなることもある



ここまででご紹介したような病気とは関係なく、生理現象としてヘモグロビンが少なくなることもあります。


例えば、



◇眠っている時
◇生理期間中
◇妊娠後期



といったタイミングで、ヘモグロビンが少なくなることがあります。


ヘモグロビンが少ないと出てくる症状



疲れ果てる女性

ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を持っているため、不足すると体が酸欠状態になります。


そうすると当然、体に様々な症状が出始めます。


また、酸欠状態によって「もっと多くの酸素を運ばないと」という働きが引き起こされ、脈拍数が上がることによる症状や、血液の赤い色のもとが減るので、顔や皮膚の色が変化することもあります。


ヘモグロビンが少なくなると、一般的には次のような症状が現れると言われています。



◇動悸
◇息切れ
◇疲労感・疲れやすい
◇血の気が引く
◇体の冷え
◇めまい
◇立ちくらみ
◇食欲不振
◇顔色が青白くなる
◇下まぶたが白っぽくなる
◇爪の異常(湾曲がなくなる・反り返る・青白くなる)
◇肌荒れ
◇うつ状態
◇怒りっぽくなる(イライラしやすい)
◇睡眠障害
◇摂食障害



見ての通り、ヘモグロビンが少ない状態だと、身体的な症状だけではなく精神的な症状も現れます。


「ヘモグロビンが少ない状態がいかに心身に毒であるか」ということが見て取れますよね。


ヘモグロビンが少ない場合の対策をする前に…



ヘモグロビンが少ない場合の対策をする上で、まず知っておいてほしいことがあります。


ヘモグロビンが少ない場合に自宅でも対策を講じることができるのは、病気による出血が原因ではない「鉄欠乏性貧血」と「悪性貧血」になります。


その他の、



◇病気による出血が原因の鉄欠乏性貧血
◇再生不良性貧血
◇溶血性貧血
◇腎性貧血
◇白血病



といった病気が原因でヘモグロビンが少ない状態が引き起こされている場合は、それぞれの病気に合わせた専門的な治療が必要となります。


鉄欠乏性貧血と悪性貧血も治療の対象にはなりますが、食事療法やサプリメントの服用など、自宅でも十分対策することができるので、この点は把握しておいてください。


スポンサードリンク




ヘモグロビンが少ない場合の対策



食事をしている女の子のイラスト

ヘモグロビンが少ない場合や、正常値の範囲内ではあるもののヘモグロビンが少なめである場合の対策としては、食事療法がメインになります。


食事療法で対策をする場合のポイントは、次の通りです。


①鉄分の多い食べ物を食事に取り入れる



ヘモグロビンの主な材料となる鉄分は、ヘモグロビンを増やすために欠かせない栄養素です。


ですから、鉄分の多い食品を食事に取り入れるようにしましょう。


例えば、



【ヘム鉄(動物性のヘム鉄)】

◇レバー
◇かつお
◇まぐろ
◇はまぐり



【非ヘム鉄(植物性のヘム鉄)】

◇ほうれん草
◇小松菜
◇ひじき
◇レーズン
◇プルーン



といった食品が、鉄分の多い食品として有名です。


特に体内で吸収されやすいのは、先にご紹介した動物性のヘム鉄のほうになるので、どちらかというと動物性のヘム鉄を選んだほうが良いです。


妊娠中や授乳中は特に鉄分の需要が多くなるので、こういった食品を多めに摂取することを心掛けましょう。


②良質なたんぱく質を摂取する



たんぱく質もまた、ヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。



◇魚介類
◇肉類
◇卵
◇大豆製品
◇乳製品


といった食品から良質なたんぱく質を摂取し、ヘモグロビンの材料を増やしましょう。


③ビタミン類を摂取する



前述している通り、ビタミンB12や葉酸は造血に欠かせないビタミンです。


次のような食品を積極的に摂り入れて、ビタミン類を摂取しましょう。



【ビタミンB12を多く含む食品】

◇レバー
◇卵黄
◇シジミ
◇アサリ
◇イクラ
◇海苔
◇チーズ

など




【葉酸を多く含む食品】
         
◇レバー
◇卵黄
◇大豆製品
◇ほうれん草
◇ブロッコリー
◇海苔
◇茶葉

など


他にも、ビタミンB6やビタミンCといったビタミン類も造血に欠かせません


ビタミンB12・葉酸はもちろんのこと、ビタミンB6・ビタミンCを多く含んだ食品も積極的に摂取しましょう。


④1日3食バランスよく食べる



鉄分などのヘモグロビンの材料となる栄養素はとても大事なのですが、そういった栄養素のみを摂ろうとするのは、栄養が偏ってしまって逆によくありません


また、無理なダイエットなどで食事を減らすことも、栄養素が不足してヘモグロビンが少なくなる原因となります。


ですから、1日3食栄養バランスの整った食事を摂るようにしましょう。


⑤食事中・食後のタンニンの摂取を控える



食事中や食後にコーヒー・緑茶・紅茶といった飲み物を飲む方も多いと思うのですが、これらの飲み物に含まれている「タンニン」という成分は鉄分の吸収を妨げます。


せっかく摂った鉄分を無駄にしないためにも、食事中や食後のタンニンの摂取を控えましょう。


食事療法以外の対策



食事療法以外での対策としては、「サプリメントの服用」や「睡眠をしっかり取る」ということが挙げられます。


サプリメントは鉄分のものか、悪性貧血の場合はビタミンB12や葉酸のサプリメントがオススメです。


また、鉄分は寝ている間に吸収され、それから血液が作られるため、睡眠不足の状態だと鉄分の吸収もうまくいきません


ですから、しっかりと睡眠を取ることも、ヘモグロビンを増やすうえで心掛けるようにしましょう。


まずは医師に相談を!



ヘモグロビンが少ない方に向けて、絶対に理解しておくべき原因と対策をご紹介させていただきました。


ヘモグロビンが少なくなる原因や症状、対策についておわかりいただけましたか?


大半は鉄欠乏性貧血によるものですが、他の病気によってヘモグロビンが少なくなっていることもあるので、ヘモグロビンが少ないことを指摘されたら、まずは医師に相談してください。


スポンサードリンク